欧州にサッカー大国は数多くありますが、中でもドイツは国家のイメージと同様に堅実なサッカーをすることで知られています。リスクを負わずにセーフティなプレイを優先し、事前に決めてある戦術を逸脱する動きをすることはほとんどありません。また戦術に関して新たなムーブメントを作り出すことでも有名です。
かつてはセンターバックが攻撃参加するリベロシステムを生み出し、最近では前線から連携してプレスを掛けるゲーゲンプレッシングが一世を風靡しています。単なるショートカウンターではなく、攻守の切り替えの速さに重点を置くということが現代サッカーの潮流となっているのです。しかし、それでも個性を重視する欧州の気質もあってか傑出した選手が生まれたときはその選手に合わせて戦術を変更する柔軟さも持ち合わせています。
ドリブルが得意なプレイヤーがいればサイドアタックを独力による突破に任せたり、守備範囲が広いゴールキーパーがいればディフェンスラインを積極的に押し上げてコンパクトな陣形をとるといったことができるのです。堅実でありながらも柔軟な姿勢を持っていることで、常にドイツはサッカーが強い国として数々のタイトルを獲得できているのです。